アニメ外交か……

まぁ、私も海外での日本サブカルチャーの人気を外交に使えないかとは思ったけど……難しいだろう……


【書評】アニメ文化を外交ツールとして活用する必要は大いにある…櫻井孝昌「アニメ文化外交」
[1]あやめφ ★ [] 2009/09/12(土) 21:48:49 ID:???
AAS
マンガ好きの首相は、退陣する。評判の悪い「アニメの殿堂」はともかく、世界に誇る
日本アニメのために、もっと効果的な知恵が必要であろう。

メディアプロデューサー櫻井孝昌は、この1年間に世界11カ国15都市を回って講演した。
新著『アニメ文化外交』(ちくま新書)は、その体験報告である。

「日本のアニメは好きですか?」

ローマで大学生たちに語りかけた。そのとき、すかさず学生から言いかえされて驚いた。
「僕たちは、日本のアニメで育ったんですよ」

イタリアだけではない。フランス、ドイツ、スペインなどヨーロッパ各国で、若者たちは
アニメを通して日本が好きになった。パリの女子高生は叫んだ。「日本人になりたい!」

海外でアニメはまずテレビで流れる。ついで原作マンガが発売される。
インターネットでもリアルタイムで番組を観る。浸透のスピードは想像を超える。
イスラム世界のサウジアラビアでも、軍事政権下のミャンマーでも、日本アニメの好きな
若者がふえた。気がついていなかったのは、日本人自身であった。

櫻井の講演旅行コースには、アメリカが入っていなかった。
アメリカこそ日本アニメがもっとも早く進出をはかった国である。

ジャーナリスト草薙聡志の労作『アメリカで日本アニメは、どう見られてきたか?』(徳間書店
によると、それは悪戦苦闘の連続であった。

テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は、タイトルも登場人物名もすべて変えられた。つまり
アメリカ版ヤマトに日本人は1人も乗っていなかった。宮崎駿のアニメ映画『風の谷の
ナウシカ』は、上映時間を大幅にカットされ、物語が犠牲になった。詩情あふれる文明史劇は、
単純な活劇にすり替えられた。

手塚治虫のテレビアニメ『鉄腕アトム』のアメリカ初放映から、宮崎の劇場用アニメ
千と千尋の神隠し』のアカデミー賞まで、じつに40年かかった。

「異質な文化が認知される過程であった」

20世紀の映像エンターテインメントは、アメリカ型グローバリズムが中心であった。
21世紀にその役割を担うのは、日本アニメかもしれない。

アメリカの映像作品は、世界マーケットの最大公約数の発想から生まれる。
日本のアニメは、きわめてローカルに自分たちの観たいものをつくってきた。

米テキサス大教授、スーザン・ネイピアは名著『現代日本のアニメ』(中公叢書)で、
いみじくも喝破していた。「アニメは日本独特のものである。同時にその魅力は普遍的である」

いまや世界をリードする日本アニメのために、政府になにができるだろう。
すくなくとも、あいも変わらぬハコモノ路線では時代遅れといえよう。
新政権がいよいよスタートする。首相や外相が個人的にマンガ好きである必要なんか、
まったくない。

「アニメ文化を外交ツールとして活用する必要は大いにある」

世界行脚を終えて、櫻井の戦略的な提案である。

イザ!
www.iza.ne.jp


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